サラバ。読後の感想。西加奈子さん。
おはようございます。秋田コアラです。
西加奈子さんのサラバ。文庫になって上中下と3冊あったんですが、すべて読み終わったので、読後の感想を話したいと思います。
まず、なぜ僕がこのサラバを読むことになったかっていうと、本屋さん、まわりの押しが強かったからです。本屋さんでは平積みされていて、本の帯には、芸人の又吉さんとか、同じ小説家さんとか、芸人の若林さんのおすすめのコメントが書いてありました。
ただ、正直、その帯のコピー、広告文を見ても、サラバっていうのが一体なんなのかっていうのが、まったく掴めずにいました。
なので、最初はほんの購入を戸惑ったんですけども、直木賞を受賞してるし、みんながすごい推薦してるということで、どんな本なんだろうっていうことで読み始めました。
一体、どんな本で。どんな内容で。どんな表現をしたら、直木賞を受賞したり、みんなに推薦されるような本が書けるのかっていうのが気になったので、それを確かめるという思いで、僕はサラバを読み始めました。
で、サラバを読み始めてまず思ったのが、いったい何の話しなんだろうって思いましたね。「僕は左足からこの世に誕生した」っていう最初の一文から始まるんですけども。
僕はこのサラバを読む前に、警察、推理小説みたいな小説を呼んでいたので、伏線の回収とかを楽しみに小説を読んでたんです。
ただこのサラバに関しては、興味深い伏線というのがあまり感じ取れなかったんですよ、最初は。上中下、3分冊を最後まで読んで、はじめて伏線が理解できるってところは、すごい本なんだなってところなんですけども。
最初読み進めるのは、ちょっと億劫でしたか。
ただキャラクター、性格の強い登場人物に、いろんな場所で起こる事件、問題が発生することで飽きることなく読み進めることが出来ました。
サラバの良い所は、国を変えながら、成長。物語が進んでいくところです。主人公、圷歩(あくつ・あゆむ)さんの自伝のようなフィクション小説なんですけども、最初はイランから始まって、次には日本。
そして、また次にはエジプトに行きます。そして日本というように場所を変えて、国を変えて、展開されるっていうのは、未知、知らないことを知りたいという僕の欲を刺激してくれました。
また、後半に進むにつれて、前半部分の出来事の理由がどんどん解明されていくっていう、伏線の回収はとても興味深かったです。
前半は出来事の連続で、圷歩が経験した事実を箇条書きに書いていくっていう感じなんですけども、後半に行くとそれが点が線になっていく感覚でした。
ひとつひとつの出来事が太い線になって、主人公を作っていくっていう感覚がありました。
で、このサラバで、受け取れるメッセージなんですけども、最後の最後にとてもわかりやすく書いてくれてました。
それは「自分が信じるものは他人に決められてはいけない」「自分が信じるものは自分で決める」ということです。
人にはある種、宗教観念が必要で、何かを信じることで生きていってる。ということがわかる小説でした。
ユダヤ教とか、キリスト教とか、仏教とか、そういうわかりやすいものだけじゃなくて、人それぞれ信じるものがある。
今の僕の場合なら仙人さんという、先生の教えを信じて、マインドセットを習得しながら、毎日記事を更新しています。
その信じることが僕に生きる意味、使命を与えてくれてるんじゃないかなって思っています。
サラバ。上中下と小説の長さに腰がひけるかもしれませんが、読めば読み進めていくほどに登場人物たちの背景、バックグランドが理解できてるので、ぜひ頑張って読んでみてください。