秋田コアラのマーチ

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西加奈子さんの「i(アイ)」の読後感想。ネタバレしてます。

西加奈子さんの「i(アイ)」の読後感想。ネタバレしてます。

 

この世に「アイ」は存在しない。

 

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西加奈子さんの小説にハマっています。
「サラバ」と「アイ」を読みましたが、
どちらもグローバリズム
 
世界情勢。主にイラン、イスラム、シリアなどの
中東の話題を題材にしていて、
世界観が広がります。
 
僕には想像が出来ない世界で、
とても良い疑似体験をさせてもらっています。
 
今回の「アイ」を読もうと思ったキッカケは、
ちょうど僕が「愛」とは何か?もっと「愛」が欲しいと
悩んでいました。
 
そのときに本屋で平積みされていた「i」を発見しました。
 
西加奈子さんは同じ作家さんたちからの
人気が熱く。特に芸人の又吉さん。
今回の帯には中村文則さんという作家さんからも
推薦のコメントが載せられていました。
 
西加奈子さんの作品は、サラバのときもそうだったんですが、
「これはこのような作品です!」って言いにくいんです。
 
だから、僕も困ったことがあって、
サラバを読んでるところを他人に見られて、
「それってどう面白いの?僕が読みたくなるようにセールスして」
と言われたときは、何もいえませんでした。
 
西加奈子さんの本は最後まで読まないと全体像が掴めません。
 
全体像が見えても、そこに含まれるメッセージが深く、
それを言葉にするのは難しいです。
その辺、やはり芸人さん、作家さんの言葉にする能力が高いと
関心しています。
「西加奈子 アイ」の画像検索結果

 

 
 
僕がちょうど「愛」を探していた。
著名人たちからの推薦もあって、今回「アイ」を読むことを決意しました。
 
主人公は、日本人の母。アメリカ人の父を持つ
シリアの血が流れるワイルド曽田アイ。養子です。
 
養子という立場。
「アイ」という名前。
シリアという不安定な情勢が続く国の血を引く。
 
主人公の背景設定と小説で描かれた人生がうねりながら、
主人公の苦悩、メッセージを僕に伝えてくれました。
 
ネタバレになりますが、
不妊治療を描写したシーンがありました。
 
そのシーンは男性の僕には想像が難しい世界でしたが、
少しでも不妊治療を行う女性の苦労のようなものが
わかったのが、今回この小説を読んでよかったって思うところです。
 
あとは、主人公のワイルド曽田アイは、
数学に没頭します。大学院まで通うほどです。
 
後半部分で、数学者とは何をする仕事なのか?
っていうのを端的に表したかっこいいフレーズがありました。
 
「数学者は、存在を証明するのが仕事」
 
かっこいいです。また物語に大きな意味を見出すメッセージで
僕はこのフレーズは一生忘れないと思います。
 
 
今回の小説「i(アイ)」はバッドエンドでも、ハッピーエンドでもありません。
ただ、主人公のワイルド曽田アイがひとつの答えを見つけることが出来ました。
 
彼女が人生で抱いてきた罪悪感のようなものを
取り払ってくれたようなラストで、
僕はそれが嬉しかったです。
 
こうやって主人公に寄り添っていくのも小説の楽しみ方の1つですね。
 
サラバ、アイはどちらも幼少期から大人になるまでの大河を描いています。
なので、我が子を育てるように、ひとりの人間の成長を想像することが出来ます。
 
西加奈子さんの書籍を読むと世界観が広がります。
それだけで読む価値があると思います。
 
今回は特に「生きること」「生かされること」について
深く考える機会を与えてくれました。
 
西加奈子さんの本は「こういう本です。おもしろいですよ」
って伝えるのが難しいです。
ただ、読み始めるとその世界に没頭して、
そこから深いメッセージを受け取ることができます。

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