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法隆寺の作り方

秋田コアラです、


法隆寺の作り方

 


「手業に学べ 心」
著者 塩野米松

 

塩野米松さんは、
秋田県角館生まれ。
 
この本は全国の伝統芸能
受け継いた人たちの話を
まとめたものです。
 
斑鳩(いかるが)の里の宮大工、
福島県南会津郡檜枝岐村(ひのえまたむら)のハンゾウづくり
岩手県二戸郡(にのへ)浄法寺町の漆掻き職人
・・・
 
など、10名以上のインタビューを
まとめています。 
 
一人目の宮大工さんの話が一番おもしろかったので、
その話を今日はシェアしたいと思います。
 

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【四神相応の地を選べ】
 
お寺づくりは土地選びから始まります。
 
その選び方が「四神相応の地を選べ」
 
四神とは、
東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武
のことです。
 
なので、
 
東の青龍には、清流。
西の白虎には、大きな道、大路。
南の朱雀は、他よりも低い。
北の玄武には、山。
 
これを覚えているだけで、
お寺巡りが楽しくなります。
 
例えば、法隆寺はこの法則に当てはまっています。
 
東に富雄川、
南には大和川が流れていて、法隆寺よりもずっと低い。
西には今はないですが、道があり、
北には山がそびえ立つ。
 
薬師寺はこれに当てはまらず、
お寺が東塔しか残っていないそうです。
 
それに引き換え、法隆寺は1300年間、
ほぼ容姿変わらずの姿を維持しています。
 
 
【用材の木を買わず、山を買え】
 
山にはそれぞれ癖があります。
 
どの方向から風がよく吹くのかなど、
それぞれオリジナルの性格があります。
 
そして、檜(ひのき)を使います。
 
檜はキリスト教のイエスさまみたいな
聖人のような木です。
 
ジョジョの奇妙な冒険第7部
スティール・ボール・ランで、
聖人の条件に
 
「死んだあとに奇跡を起こす」
 
と言っていました。
 
檜は伐採されたあとから200年強くなっていきます。
 
他の木は切られた瞬間に、弱くなる一方ですが、
檜は真逆です。切られてから強くなる。
 
なので、檜を使われている法隆寺
1300年の寿命を維持してきたんです。
 
 
【木は生育の方位のままに使え】
 
これは木を四等分にしたときに、
東西南北が重なるように使えという意味だそうです。
 
南向きだったところを、建物の南側の使う。
 
南は太陽が当たりやすいですから、枝の節が
たくさん目立ちます。
 
逆に北側の木は見た目が綺麗です。
 
なので、奈良、飛鳥時代
お寺では南と北ではまったく違う顔になるわけです。
 
 
【木組みは寸法で組まず木の癖を組め】
 
 
最後に宮大工の教育方法について、
こんなことが書かれていました。
 
「私は何も教えないけど、機会をやる。
現場を用意する。後は弟子たちが、先輩と仕事を
一緒にやりながら自分たちで覚えていくんです。
 
教えても教えられるもんじゃないです。
それでずっと飛鳥時代から、技を受け継いできたんです。

宮大工の技とはそんなもんです」

 

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